目次
外壁塗装はどのくらいの頻度で行うもの?

一般的には、外壁塗装は10~15年程度に1回行うとよいとされています。
とはいえ、実際には塗料によって耐用年数が異なるため、使われている塗料の耐用年数次第で外壁塗装のタイミングを決めるべきです。
外壁に塗布された塗料は風雨や日光にさらされ、日々劣化していきます。
特に耐用年数を過ぎた塗料は、チョーキング現象(※)が見られるなど、見た目にも悪いばかりか、塗膜にひび割れや剥がれが見られるようになり、そのまま放っておくと、外壁から雨水等の進入が起こり、建物本体の劣化にもつながってしまいます。
そうならないよう、塗料の耐用年数に応じて外壁塗装を行っていくことが大切です。
※チョーキング現象とは、外壁に紫外線が当たったり、風雨にさらされたりして塗膜が劣化し、表面に白い粉が生じる現象のことで、白亜化現象とも呼ばれます。
塗装後5~10年経ち、劣化するとほとんどの外壁で起こるもので、外壁塗装の目安となります。
とはいえ、実際には塗料によって耐用年数が異なるため、使われている塗料の耐用年数次第で外壁塗装のタイミングを決めるべきです。
外壁に塗布された塗料は風雨や日光にさらされ、日々劣化していきます。
特に耐用年数を過ぎた塗料は、チョーキング現象(※)が見られるなど、見た目にも悪いばかりか、塗膜にひび割れや剥がれが見られるようになり、そのまま放っておくと、外壁から雨水等の進入が起こり、建物本体の劣化にもつながってしまいます。
そうならないよう、塗料の耐用年数に応じて外壁塗装を行っていくことが大切です。
※チョーキング現象とは、外壁に紫外線が当たったり、風雨にさらされたりして塗膜が劣化し、表面に白い粉が生じる現象のことで、白亜化現象とも呼ばれます。
塗装後5~10年経ち、劣化するとほとんどの外壁で起こるもので、外壁塗装の目安となります。
外壁塗装にかかる費用
外壁塗装にかかる費用としては、建物の大きさにもよりますが、一般的な2階建てアパート(総戸数12戸/建物面積500m2程度)で200~300万円程、3~4階建て程度のRCマンション(総戸数22戸~/建築面積1,000m2~)で500~1,000万円程度が相場です。
例えば、建物面積500m2程度の2階建てアパートを30年経営し続けると仮定し、15年に1回塗装するのであれば塗装回数は2回、総額400~600万円程度かかる計算になります。
例えば、建物面積500m2程度の2階建てアパートを30年経営し続けると仮定し、15年に1回塗装するのであれば塗装回数は2回、総額400~600万円程度かかる計算になります。
塗料の種類と特徴

外壁塗装の頻度については、利用する塗料によって決めるべきとお伝えしましたが、ここでは塗料の種類ごとの耐用年数をお伝えするとともに、価格相場や特徴についてご紹介していきます。
主な塗料は4種類
外壁塗装で使われる主な塗料には、以下の4種類です。
種類 | 価格 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル系塗料 | 1,400~1,600円/m2 | 3~7年程度 | ・価格が安いが耐久性に劣る ・現在はあまり使用されない |
ウレタン系塗料 | 1,800~2,000円/m2 | 6~10年程度 | ・シリコンと併せてよく使われる塗料 ・価格や耐久性とのバランスがよい |
シリコン系塗料 | 2,000~2,500円/m2 | 7~12年程度 | ・外壁塗料として最もよく使われる ・低コストにも関わらず性能が高い |
フッ素塗料 | 3,500~4,500円/m2 | 15~20年程度 | ・耐用年数が高い ・コストが高い ・商業施設等で利用されることが多い |
その他の塗料
その他、以下のような塗料が使われることもあります。
種類 | 価格 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
ラジカル系塗料 | 2,200~2,800円/m2 | 12~15年程度 | ・シリコン程度のコストでありながら耐用年数が長い |
遮熱系塗料 | 3,000~4,500円/m2 | 15~20年程度 | ・耐用年数が長い ・コストが高い ・補助金を受けられる自治体もある |
ピュアアクリル塗料 | 3,500~4,500円/m2 | 12~15年程度 | ・コストが高い ・防水性に優れる |
無機系塗料 | 4,000~5,500円/m2 | 20~25年程度 | ・耐久性が最も高い ・コストも高い ・光触媒と同様セルフクリーニング機能を持つ |
光触媒塗料 | 4,200~5,000円/m2 | 15~20年程度 | ・耐用年数が長い ・コストが高い ・自然の力で外壁をきれいにする |
こんなとき、どんな塗料が適してる?

塗料を選ぶ時、どのような点に着目して選ぶとよいのでしょうか?
ここでは、ケースごとに適した塗料をお伝えします。
ここでは、ケースごとに適した塗料をお伝えします。
コストを重視したいケース
コストだけ見れば、一般的にアクリル系塗料やウレタン系塗料、シリコン系塗料の順に安いです。
ただ、アクリル系塗料は耐用年数が短すぎるため、大がかりな足場を設置する必要のあるアパートやマンションには向きません。
ウレタン系塗料かシリコン系塗料、もしくはそれより耐用年数の長いラジカル系塗料の中から選ぶとよいでしょう。
ただ、アクリル系塗料は耐用年数が短すぎるため、大がかりな足場を設置する必要のあるアパートやマンションには向きません。
ウレタン系塗料かシリコン系塗料、もしくはそれより耐用年数の長いラジカル系塗料の中から選ぶとよいでしょう。
耐用年数を重視したいケース
耐用年数を重視するのであれば無機塗料が一番です。
有機物が少ないことから色褪せやチョーキングが起こりにくく、カビや藻が発生しにくいのに加え、雨水などにより汚れが浮き上がり、洗い流されるセルフクリーニング機能があります。
ただ、価格が高くなってしまうため、多少耐用年数は落ちるものの似たような性質を持つフッ素や光触媒も候補に入れるとよいでしょう。
有機物が少ないことから色褪せやチョーキングが起こりにくく、カビや藻が発生しにくいのに加え、雨水などにより汚れが浮き上がり、洗い流されるセルフクリーニング機能があります。
ただ、価格が高くなってしまうため、多少耐用年数は落ちるものの似たような性質を持つフッ素や光触媒も候補に入れるとよいでしょう。
汚れの付着を防ぎたいケース
外壁塗装によく使われるシリコン系塗料も汚れに強い性質を持ちますが、より高い性能を求めるのであれば高い防汚能力を持つフッ素系塗料や、セルフクリーニング機能を持つ光触媒塗料、無機系塗料を選ぶとよいでしょう。
カビの発生を防ぎたいケース
カビについても、外壁塗装によく使われるシリコン系塗料は強い性質を持ちます。一方、より高い防カビ性能を求めるのであれば、高い防水性を持つピュアアクリル塗料がおすすめです。
コケが生えるのを防ぎたいケース
コケについてもカビと同じ、湿度や水分があるところに発生するため、防水性の高い外壁を選ぶとよいでしょう。シリコン系塗料もコケに対して強いですが、より高い防水性を求めるのであればピュアアクリル塗料を選びましょう。
結局どれがいいか分からず決められないケース
塗料を選ぶ際にはコストや耐用年数、防汚性能、防水性能など、特に優先したいポイントに絞って選んでいくことをおすすめします。
一方、はじめて外壁塗装する方で、上記のようにポイントを絞ることができない方は、全ての面でバランスのよいシリコン塗料を選ぶとよいでしょう。
また、外壁塗装が2回目以降の方は、前回いつ塗装したか、その塗料はどうだったか等の反省を踏まえ、今後の塗装計画も立て塗料を選ぶとよいでしょう。
例えば、シリコン塗料を選んだのにも関わらず湿気がたまりやすい土地であるために、コケやカビが見られるようであればピュアアクリル塗料を、外壁塗装の間隔をもう少し長くしたいのであれば耐用年数の長い無機塗料等を選ぶなど、前回塗装時の塗料の反省を踏まえて選びましょう。
一方、はじめて外壁塗装する方で、上記のようにポイントを絞ることができない方は、全ての面でバランスのよいシリコン塗料を選ぶとよいでしょう。
また、外壁塗装が2回目以降の方は、前回いつ塗装したか、その塗料はどうだったか等の反省を踏まえ、今後の塗装計画も立て塗料を選ぶとよいでしょう。
例えば、シリコン塗料を選んだのにも関わらず湿気がたまりやすい土地であるために、コケやカビが見られるようであればピュアアクリル塗料を、外壁塗装の間隔をもう少し長くしたいのであれば耐用年数の長い無機塗料等を選ぶなど、前回塗装時の塗料の反省を踏まえて選びましょう。
地域の特徴や環境も考慮して塗料を選びましょう
上記で少し述べていますが、外壁の劣化や汚れ、カビの付着具合は建物が建っている地域や地形等によって異なります。
例えば、山に囲まれている土地だと湿気が溜まりやすくカビやコケが生えやすくなりますし、海の近くだと塩害について考慮する必要があるでしょう。
一般的に、カビやコケに対してはピュアアクリル塗料が強く、塩害に対してはフッ素系塗料が強いです。このように、地域の特徴や環境も考慮した上で塗料を選んでいくことが大切です。
例えば、山に囲まれている土地だと湿気が溜まりやすくカビやコケが生えやすくなりますし、海の近くだと塩害について考慮する必要があるでしょう。
一般的に、カビやコケに対してはピュアアクリル塗料が強く、塩害に対してはフッ素系塗料が強いです。このように、地域の特徴や環境も考慮した上で塗料を選んでいくことが大切です。
外壁塗装を行う際に確認したいこと

ここでは、外壁塗装を行う前に確認したいことをお伝えしていきます。
耐用年数を確認しよう
塗料を選ぶ時はコスト面が目につくという方が多いでしょう。しかし、外壁塗装のコストパフォーマンスを考えるのであれば、価格と耐用年数を併せて見ることが大切です。
例えば、アクリル塗料は1,500円/m2程度の商品もありますが、その耐用年数が3年であれば塗料だけで見ても15年で7,500円/m2と、もっとも費用のかかる無機塗料よりさらに高くなってしまいます。
外壁塗装するには、毎回足場設置費用がかかってしまうため、実際の負担額は上記以上でしょう。塗料のコストパフォーマンスを考えるのであれば、価格と共に耐用年数を確認することが大切です。
例えば、アクリル塗料は1,500円/m2程度の商品もありますが、その耐用年数が3年であれば塗料だけで見ても15年で7,500円/m2と、もっとも費用のかかる無機塗料よりさらに高くなってしまいます。
外壁塗装するには、毎回足場設置費用がかかってしまうため、実際の負担額は上記以上でしょう。塗料のコストパフォーマンスを考えるのであれば、価格と共に耐用年数を確認することが大切です。
見積もり金額は複数社に確認しよう
次に、塗装業者に見積もりを取る際には複数社に確認するようにしましょう。同じ塗料を依頼するにしても、業者によって専用のルートを持っているなどして、安く仕上げられるケースがあります。会社によって利益率の設定も異なります。
複数社の見積もり内容を比較検討しながら、依頼先を決めましょう。
複数社の見積もり内容を比較検討しながら、依頼先を決めましょう。
見積もり内容を確認しよう
また、見積もりの提示を受けたら内容をしっかり確認するようにしましょう。
例えば、安い見積もりとなっている理由が、足場を設置しない工事方法だったり、一般的には3度塗りのところ、2度塗りにしたりして費用を安くしている可能性もあります。中には、詳細を書かない「一式」の見積もりを提示する業者もありますが、工事内容を確認する意味も含めて、見積もりをよく見ておくことが大切です。
例えば、安い見積もりとなっている理由が、足場を設置しない工事方法だったり、一般的には3度塗りのところ、2度塗りにしたりして費用を安くしている可能性もあります。中には、詳細を書かない「一式」の見積もりを提示する業者もありますが、工事内容を確認する意味も含めて、見積もりをよく見ておくことが大切です。
補助金や助成金の確認をしよう
遮熱塗料など、塗料によっては補助金や助成金を受けられることがあります。
性能が高くなり、その上で安く施工できるならそれに越したことはないでしょう。なお、補助金や助成金の取り扱いは自治体によって異なるため、自分で調べるか、地元の塗装業者に確認してみるとよいでしょう。
性能が高くなり、その上で安く施工できるならそれに越したことはないでしょう。なお、補助金や助成金の取り扱いは自治体によって異なるため、自分で調べるか、地元の塗装業者に確認してみるとよいでしょう。
外壁塗装費の計上方法を確認しよう
外壁塗装の費用は経費として計上することができますが、その内容によって、費用を1年で計上する修繕費か、数年に渡って分割して計上する資本的支出かに分かれます。一般的に、外壁塗装は修繕費として取り扱われることが多いですが、「より耐久性の良い塗料に塗り替えることが目的の外壁塗装」等では資本的支出として計上されます。
例えば、100万円費用がかかり、耐用年数が10年だとすると、修繕費では1年目に100万円経費計上し、資本的支出では10年間10万円ずつ計上していきます。
どちらを選ぶかによって納税額が変わってくるため、事前に税理士に確認するなどしておくとよいでしょう。
例えば、100万円費用がかかり、耐用年数が10年だとすると、修繕費では1年目に100万円経費計上し、資本的支出では10年間10万円ずつ計上していきます。
どちらを選ぶかによって納税額が変わってくるため、事前に税理士に確認するなどしておくとよいでしょう。
今後の経営計画も確認しよう
最後に、「あとどのくらいアパートを所有(経営)するか」等、今後の経営計画も考慮しながら塗料を選ぶことをおすすめします。例えば、「10年程度で売却したい」と考えているのにも関わらず、耐用年数が30年ある塗料を選んでももったいないでしょう。
賃貸経営において塗料を選ぶ際には、1円でもお得になる選択をすることが大切です。
賃貸経営において塗料を選ぶ際には、1円でもお得になる選択をすることが大切です。
まとめ

外壁塗装の塗料について、一般的に使われることの多い塗料の価格や耐用年数、特徴をお伝えすると共に、ケース別におすすめの塗料等ご紹介しました。外壁塗装で塗料を選ぶ際は、「価格重視」や「耐用年数重視」などポイントを絞って選ぶことが大切ですが、ポイントが分からない際にはバランスの取れたシリコン塗料を選んでおけば問題ないでしょう。
その他、本記事でご紹介した「外壁塗装を行う際に確認したいこと」を参考に失敗のない塗料選びをして下さい。
その他、本記事でご紹介した「外壁塗装を行う際に確認したいこと」を参考に失敗のない塗料選びをして下さい。
塗料を選ぶ際はポイントを絞ることが大切
外壁リフォームのプランを立ててみませんか?
この記事の監修者

逆瀬川 勇造
【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。