空室に悩む大家さんへ。ポータルサイト、見ていますか?
ポータルサイトからの問い合わせがないということは、せっかくページを閲覧してもらっても、そこから次のアクションを起こさせるほどユーザーを惹きつけられていないという可能性が高いです。空室状態が解消されないことに悩んでいる大家さんは、ぜひご自身の持つ物件の掲載ページをゆっくりチェックしてみましょう。そして、入居希望者にとって、魅力的な物件であるように見えるページとなっているかどうか、一度じっくり考えてみてはいかがでしょう。
そもそも不動産ポータルサイトって?
不動産ポータルサイトとは、不動産取引で流通している物件情報を集めたサイトのことです。希望する価格帯や所在地、その他設備などの条件を入居希望者が自分で検索し、お気に入りの物件を探すことができます。もちろん、不動産仲介会社の店頭で直接営業マンに相談するという方法も従来どおり盛んに行われていますが、ITが発達した近年では、ポータルサイトを利用して一次的な部屋探しは自分で行う方がかなり増えてきています。
スマイティも不動産ポータルサイトのひとつ。合わせて確認してみてください。
入居希望者が見ているのは?
ポータルサイトを利用している入居希望者がどんなコンテンツをよく見ているのかということについては、「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果がとても参考になります。数々の項目がある中、「Q6.物件情報を探す際に必要だと思う情報は?」という項目を見ると、写真がかなり重要視されていることがわかります。そして写真の中でも、特に「トイレ・キッチン・バスなどの設備に関する写真が重要」という結果がわかります。
重視したいのは、写真のクオリティと枚数!
時間や手間をかけて、きれいでわかりやすい写真を撮ることはとても大切です。しかし、いくら写真そのものの内容が良くても、写真の枚数が少なければ入居希望者のニーズを満たすことができません。トイレやお風呂といった入居希望者が選ぶ際の注目度が高い場所の写真がないとか、清潔さや広さがよくわからない写真になっていると、問い合わせへのチャンスが減ってしまいます。
そして、撮影を行う際は、クリーニング完了のタイミングで撮ることがベストです。ポータルサイトからの問い合わせ率を高めたい場合は、入居希望者からどのように物件が見えているのかという観点を大切に、改めて写真をチェックしてみましょう。
目に留まるポータルサイト掲載写真
入居希望者が自分の物件ページを訪れた時、思わず目を留めて内見してみたくなるような写真は、どのように撮影すれば良いのでしょうか。ここでは、写真撮影のコツをいくつかまとめました。
1.まっすぐに撮る
被写体が傾いている写真は、見る人に不自然な印象や不安定な気持ちを与えます。おしゃれに写すようなポートレートとは別で、特にポータルサイトに掲載する物件の写真は水平・垂直を意識して撮影しましょう。近年はスマートフォンのカメラ性能や画素が高まっており、キレイに手軽に撮影できるため、ポータルサイトに掲載する写真として使用しても問題ありません。スマートフォンで撮影する際は、設定でグリッドを表示させて撮影してみましょう。水平・垂直に調整しながら撮影できるため、物件写真の撮影におすすめです。
2.明るく撮る
ポータルサイトに掲載する写真は、できるだけ明るいものを選びましょう。室内の撮影では、窓から差し込む明るい光が基準となり、室内が暗く写ってしまうため、露出補正を使用するなどして室内を明るく撮影するように心がけましょう。その際、室内を露出補正によって明るくすると、窓が真っ白に白飛びしてしまうことがありますが、見苦しくない程度の白飛びであれば問題ありません。気になる方は、撮影した写真を管理会社や仲介会社に見てもらって、アドバイスをもらいましょう。また、撮影後に明るさを補正することも可能です。必要に応じて照明をつけて撮影してみるなど、いろいろな方法を試して撮影してみてください。
3.広く見えるように撮る
写真のみで室内の広さを伝えることは意外と難しいため、できるだけ広く見えるように室内を対角線方向で撮影することもおすすめテクニックの1つです。対角線で撮影するため、部屋の死角から撮影することがセオリーではありますが、場合によっては、ドアの外や収納の中から撮るほうが広く見える写真が撮れることもあります。室内を撮るために少しでも距離をとることがコツとなるため、意識していろいろな方向から撮影してみてみましょう。
4.撮影におすすめのタイミング
物件写真は晴天時に撮影することが鉄則です。照明でうまくコントロールできるような室内であれば、悪天候でもうまく撮影できるかもしれません。しかし、外観写真の場合は特に、晴天時の方が物件の魅力が伝わる写真が撮影できるでしょう。また、晴天時でなおかつ一番日当たりが良くなるタイミングを狙って撮影することが理想的です。物件の向きによっては、午前中は逆光でうまく写らない場合でも、午後は順光になり、明るくきれいに撮影できる時間帯もあると思うので、じっくりと取り組んでいきましょう。
5.押さえておきたい撮影ポイント
ポータルサイトでは基本的に写真の掲載が必須です。以下に代表的な撮影ポイントと、うまく撮影するコツをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
撮影ポイント | 撮影するコツ |
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トイレ | 入り口からできるだけ広く見えるようにして、全体を撮影する。奥行きが表現できるとなお良い。 |
キッチン | シンクなどのキッチン設備を水平に写し、歪みがないようにする。事前にきっちり清掃を行い、明るく清潔な感じを心がける。 |
バス | 浴槽の状態や広さを伝えるため、真上から撮影する。照明の状態などによっては斜め上からの撮影も有効。 |
洗面所 | 斜め上から撮影する。あまり距離ができないように注意し、清潔感を伝えるようにする。 |
収納 | 収納内部を明るく、正面から撮影するか、斜めから撮影し、奥行きが伝わるように意識する。 |
6.目を引く写真のためのサービス
ポータルサイトにおける掲載写真の重要性は、不動産仲介会社の間でもかなり認知されてきています。その取り組みとして、360°カメラによる室内の撮影や、VR内見といったサービスを展開している仲介会社も増えつつあります。このほか、「フォトステージング」といい、実際には家具を配置せず空室のままで撮影し、写真上に家具の画像を合成することで、バーチャルで入居希望者に実生活のイメージをしてもらいやすくするサービスなども登場してきています。
このような、物件写真に関するサービスを展開しているかどうか、一度管理会社や仲介会社に問い合わせてみましょう。これらのサービスは技術や設備が必要になるため、有料オプションであることが多いです。しかし、ポータルサイトからの問い合わせ率を高めたいのであれば、導入する価値のあるサービスだと思います。
まとめ
ポータルサイトをうまく利用し、問い合わせや入居率を高めるためには、掲載する写真が重要となります。空室を解消し、内見希望の方をスムーズに迎え入れるためには、入居希望者のニーズに響く写真をポータルサイトに掲載し、問い合わせ率をできる限り高めていきましょう。また、ポータルサイトへの掲載については管理会社の仕事だと考えられがちですが、管理会社に任せきりにしていると、チャンスを逃してしまう可能性もあります。大家さんも一緒に考え、しっかりと舵取りをしていくスタンスで取り組むことが大切です。
監修吉田 成志
【資格】宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/マンション管理士/消防設備士
専任の宅建士として不動産仲介会社に従事した後、マンション管理士・消防設備士として独立。宅建士をはじめとした幅広い知識や経験を生かし、不動産売買や賃貸時に気になる疑問点の相談なども担当している。
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