アパートを相続することになった…支払う税金はどのくらい?

監修逆瀬川 勇造

  • 公開日:
  • 2019年10月10日
  • 更新日:
  • 2019年10月10日
アパートを相続することになった…支払う税金はどのくらい?
賃貸用のアパートを所有していると、固定資産税や不動産収入による所得税など、毎年多くの税金を支払わなければなりません。さらに、アパートを相続した際には相続税の支払いも加わるため、負担は大きくなるばかりです。この記事では、近い将来アパートを相続することになる方々に、相続に関わる税金と各税金の計算方法について、節税や減税などの情報も交えながらお伝えしていきます。

アパート相続には、どんな税金がいくら必要か理解しましょう。
基礎知識を学ぶという意味では、一度、プロの話を聞いてみても良いでしょう。

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目次

アパートを相続したらやるべきこと

アパートを相続したら、相続したその日からアパートの運営を始めければならないのと同時に、相続手続きや税金の支払いを進めていく必要があります。

相続手続きとは具体的には相続登記のことです。相続登記には申請期限がありませんが、自分で登記する場合には手続きが大変で、平日しか窓口が開いていないこともあり後回しにしてしまいがちです。しかし、いつまでも登記しないままでいると「相続人のうちの誰かがさらに亡くなって、関係者が増えすぎて登記できない」など、後々面倒なことになる可能性もあるため、早めに手続きしておくことをおすすめします。

また、相続が開始されていから10カ月以内に相続税について申告書を作成し、相続税を納める必要があります。特にアパートを相続したような場合は、早い段階から納税資金を準備していかなければなりません。そのためにも、おおよその納税額を自分で計算できるようになっておくとよいでしょう。

アパート相続で発生する税金

アパートを相続すると、相続税を納税しないといけないのはもちろんですが、相続後には固定資産税・都市計画税を納める必要がある他、1年間運営した後にはその利益に対して課される所得税や住民税、法人税(法人の場合)などを納める必要があります。

また、相続ではなく生前贈与した場合、不動産取得税を納める必要があります。

利益に対して課される所得税や住民税はまだイメージしやすいですが、物件の取得者に対して課される不動産取得税などは忘れたころに請求されることも多く、忘れずに準備しておく必要があります。

節税や減税できる部分はある?

賃貸アパートの相続については「小規模宅地等の特例」をしっかり活用しましょう。この特例は、賃貸アパートの建つ土地について、その面積のうち200m2まで、50%の減額を受けられる制度です。例えば、価格が1億円、面積が400m2の賃貸アパートのために使われている土地を相続した場合、以下のように計算して減額を受けることができます。

小規模宅地等の特例による減額1億円×(200m2÷400m2)×50%=2,500万円
相続財産の評価額1億円-2,500万円=7,500万円

なお、この特例は「賃貸事業に供している土地」について適用を受けられるもので、空室のある部分については除外されるという扱いになっている点に注意が必要です。ただし、空室になった直後から入居者を募集しているような場合には賃貸事業を継続していると判断され、特例の適用を受けることができます。 この辺りは税務署や税理士に相談しながら進めるとよいでしょう。

・参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

改正相続法

相続税については、2015年に基礎控除額が「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変更されるなど増税がなされました。これにより、これまで納税する必要のなかった人まで納税しなければならなくなっています。

また、2020年には「配偶者居住権の創設」や「被相続に(亡くなった方)の介護で貢献した親族による金銭要求」が可能になるなど相続税法が大きく改正されます。

特に配偶者居住権の問題などはマイホームの相続に関する問題ですが、賃貸アパートの相続についても自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成できるようになるなど、手続き上変わる部分があるため確認しておくとよいでしょう。

アパート相続で発生する税金の種類

ここでは、先ほど取り挙げたアパートの相続で発生する税金について一つ一つ解説していきたいと思います。

相続税

まずは相続税です。ここでは生前贈与と死後相続の2つに分けて見ていきます。

生前贈与

生前贈与とは亡くなる前に財産を贈与しておくことですが、これにより相続税の負担を和らげたり、生前からアパートの経営について教わりながら実践したりすることができます。ただし、生前贈与すると贈与税がかかります。

通常、贈与税は毎年110万円の基礎控除枠が用意されているため、毎年110万円ずつ贈与し、相続するアパートの納税資金を用意するといったことができます。また、60歳以上の父母から20歳以上の子への贈与については「相続時精算課税制度」を利用することができます。

相続時精算課税制度の適用を受けると、2,500万円まで非課税(2,500万円超の部分については一律20%の税率)とすることができます。

相続時精算課税制度の適用を受けて贈与した財産は、相続時に相続財産と合算する必要がありますが、その評価額は贈与時の地価のため、相続時に時価が上がっている場合には節税効果を期待できます。

さらに、早めに贈与を受けることで受贈者は賃貸収入を受け取ることができ、相続財産が増えるのを防ぐことができるのに加え、生前から納税資金を準備することができます。ただし、1度相続時精算課税制度の適用を受けると110万円の基礎控除は使えなくなる点に注意が必要です。

・参考:「相続時精算課税制度」とはどんな制度?|公益財団法人 生命保険文化センター

死後相続

死後にアパートの相続を受ける場合、その評価額に対して税率が課されますが、賃貸アパートの場合、借地権割合に応じて減額を受けることができます。これは、同じ財産を相続するのであっても実際には入居者が利用しているのだから、その分資産価値の減額を受けられるというものです。

具体的には、以下のような計算式で評価額が求められます。

アパートの建つ土地の評価額更地の評価額×(1ー借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
アパートの建物の評価額建物の評価額×(1ー借地権割合×賃貸割合)

なお、借地権割合は地域により異なりますが60~70%で設定されることが多く、借家権割合は通常30%となっています。土地については借地権割合が60%の場合で18%の評価減を、70%の場合で21%の評価減を受けられ、建物については通常30%の評価減を受けられることになります。

不動産取得税

不動産取得税は不動産の取得者に対して課される1回限りの税金で、相続した場合にはかかりませんが、生前贈与を受けた場合には納める必要があります。

土地、建物共に住宅用地(賃貸アパート含む)の場合には軽減措置があるとはいえ、税率は固定資産税評価額の3%と高く、数百万円の納税が必要なこともあるため、生前贈与するか相続するかの選択の際には、不動産取得税の支払いを含めてどちらがお得かを判断するべきだと言えます。

固定資産税・都市計画税

不動産を相続して所有者になった場合、固定資産税や都市計画税(相続アパートが市街化区域内にある場合)を納める必要があります。

固定資産税は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は固定資産税評価額の0.3%となっており、それぞれ住宅用地(賃貸アパート含む)の場合には軽減措置が用意されています。なお、固定資産税や都市計画税は毎年1月1日時点の所有者に対して課されるもので、所有者が死亡した年については被相続人(亡くなった方)が納税義務者となります。

ただし、固定資産税や都市計画税に未払い分がある場合は相続人が納付しなければなりません。

所得税

賃貸アパートを相続して収入が生じたら、その利益額に応じて所得税を納める必要があり、賃貸アパートから生じる収入は不動産所得として計算します。

不動産所得にかかる税金は給与所得など他の所得と合算した上で、その所得が高ければ高くなるほど税率の高くなる累進課税制度が取られています。所得税に関しては、所得が高いと最大で税率45%にものぼるため、収益が多いのにも関わらず法人化されていない場合には法人化を検討するとよいでしょう。

なお、所得税は収入のあった年の翌年2月16日~3月15日の間に確定申告して納める必要があります。

住民税

賃貸アパートから生じた利益には住民税も課されます。住民税は所得税の確定申告をすると自動で計算され、その税率は一律10%です。つまり、所得税と合わせると合計で55%にもなってしまいます。

何らかの理由で空室が重なり、収益が大きく低下してしまった後に好調だった年の所得税や住民税の支払いが請求されることもあるため、納税資金を計算し、準備しておくことが大切です。

法人税

法人が賃貸アパートを所有しており、その法人を相続したような場合、法人税を納めなければなりません。法人税の表面税率は概ね20%後半~30%前半となっており、所得が高くなるほど法人化した方が有利になります。

相続後の税金支払いシミュレーション

こでは、10戸で評価額が1億円(建物5,000万円、土地5,000万円)、土地面積200m2の木造アパートを相続する場合の税金についてシミュレーションしてみたいと思います。

まず、相続税の計算のため、土地と建物の評価額について借地権割合による減額を計算すると以下の通りです。

土地の評価額5,000万円×(1ー70%(借地権割合)×30%(借家権割合)×100%(賃貸割合))=3,950万円
建物の評価額5,000万円×(1ー30%(借家権割合)×100%(賃貸割合)=3,500万円
3,950万円(土地)+3,500万円(建物)=7,450万円

また、土地については要件を満たせば小規模宅地等の特例の適用を受けられます。
※小規模宅地等の特例が適用された場合
土地の評価額3,950万円ー(3,950万円×200m2/200m2×50%)=1,975万円
1,975万円(土地)+3,500万円(建物)=5,475万円

実際には、賃貸アパート以外の現金や生命保険などの資産を合算し、基礎控除額を差し引き、相続持分に応じて配分する必要がありますが、ここではそれらの計算は省きます。課税価格が5,475万円あった場合の相続税の税率は30%、控除額が700万円となっているため、納税額は以下の通りとなります。

納税額5,475万円×30%ー700万円=942.5万円

上記納税額に加え、相続した年に収入が発生したら、その収入の額に応じて所得税や住民税、法人税を支払い、また固定資産税や都市計画税に未払いがあったらそれらの支払いもする必要があります。

※計上方法は、税理士の方とも事前にご確認ください。

まとめ

アパートを相続した場合の税金についてお伝えしました。まず、相続については生前贈与と死後相続の2つがあります。生前贈与で相続時精算課税制度を利用すると贈与時の時価で相続財産を計算できるものの、不動産取得税を納めなければならないといった制度の仕組みを理解したうえで、どちらがよいか判断するとよいでしょう。

また、相続後には固定資産税・都市計画税や所得税・住民税・法人税などの支払いがあることを忘れずに、納税資金の準備を進めていくことが大切です。

アパート相続には、どんな税金がいくら必要か理解しましょう。
基礎知識を学ぶという意味では、一度、プロの話を聞いてみても良いでしょう。

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逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

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