アパートのリフォームローン、無担保型・有担保型どっちがいい?

2022.12.20更新

この記事の監修者

たじり ひろこ

たじり ひろこ

【資格】2級FP技能士/証券外務員第一種

アパートのリフォームローン、無担保型・有担保型どっちがいい?

無担保型リフォームローンの借り入れを検討中の方に、有担保型との違い、メリット・デメリットをご紹介します。

目次

無担保型と有担保型でなにが違う?

無担保型リフォームローンと有担保型リフォームローンの違いですが、その名の通り担保があるかないかです。担保を必要としない無担保型リフォームローンの場合、申し込みの際に担保となるものを準備しなくてもかまいません。その分、審査に時間がかからないというメリットもあります。反対に有担保型リフォームローンでは無担保型の場合と比べて審査に時間がかかることがほとんどです。

無担保型と有担保型を比較

では、有担保型・無担保型それぞれのリフォームローンのメリットとデメリットについて見ていきましょう。自分のアパートのリフォームにはどちらが合うのかも考えてみてください。

無担保型リフォームローン

メリット

無担保型リフォームローンは担保を準備する必要がなく、担保に関する書類も不要です。また、審査する金融機関側も担保を評価する時間と手間がかからないため、融資の可否についての審査結果が出るまでが非常にスピーディーです。場合によっては即日で結果が分かる場合もあります。早めに融資の審査結果が欲しい人、融資までの期間を短縮したい人に向いている借入方法だといえるでしょう。

デメリット

無担保型リフォームローンは担保が不要な分、信用度は有担保型よりも低く、借入可能金額も有担保型よりも低くなってしまいます。

アパートリフォームローンの場合、有担保型では借入上限金額が数億円になるところ、無担保型ならば上限金額1,000万円ほどになります。金利も有担保型に比べて無担保型の方が高めに設定されており、返済期限も最長20年ほどと有担保型より短いのが特徴です。無担保型のリフォームローンはキッチンのみ、トイレのみなど、比較的低価格リフォームの時に利用するとよいでしょう。

有担保型リフォームローン

メリット

有担保型リフォームローンでは借入可能金額が無担保型に比べて非常に高くなります。大規模なアパートリフォームを検討している人に向いているといえるでしょう。また、金利も低く、返済までの期間も長めで最長30年ほどのものもあります。返済期間を長めに設定して毎月の返済金額を抑えることが可能です。金融機関によっては、ローン契約者(大家さん)に万が一のことがあった場合に残債の支払いが免除される団体信用生命保険へ加入することもできます。

デメリット

有担保型リフォームローンのデメリットは、担保を準備する手間がかかる点です。担保は登記の必要もあり、かかる費用が無担保型より多くなります。また、金融機関側が担保を審査するのに時間がかかり、申請から結果が出るまで1週間程度も待つこともあるほどです。早めに審査結果が必要な人や、融資を急いでほしいという人には不向きといえるかもしれません。また、火災保険への加入を義務としている金融機関もあり、その際の保険料は契約者負担となっています。

借入可能額・借入期間の注意点

有担保型リフォームローンのメリットは借入可能額が高い点ですが、必ずしも自分の希望する金額が借りられるわけではありません。担保の評価額が低い場合、借入可能金額も下がる可能性があります。また、借入期間も原則、建物の法定耐用年数以内です。毎月の返済額を減らすためになるべく長く借りたいと考えるかもしれませんが、希望通りにいかない場合もありますので注意しましょう。

無担保型と有担保型、どちらを選べばいい?

さて、アパートリフォームローンを借り入れる際、無担保型と有担保型どちらにしようか迷う大家さんは多いのではないでしょうか。それぞれのケースを見ながら考えてみましょう。

無担保型が良いケース

まず、無担保型リフォームローンが良いケースですが、必要なリフォーム金額が少ない場合です。例えば、アパートの1室のバランス釜の浴室をシステムバスにするリフォームでしたら必要金額は50万円程度、トイレの場合は和式トイレから洋式トイレへの交換で40万円ほどです。

もし、アパート1棟丸ごとの全面リフォームではなく、箇所別のリフォームで、比較的少ない費用で済む場合は無担保型リフォームローンを検討してみてはいかがでしょうか。審査の結果が出るまでの期間も短く、提出書類も少ないため、すぐにでもリフォーム資金が欲しいときにおすすめです。

有担保型が良いケース

有担保型リフォームローンが良いケースとしては、1室あたり100万円以上の料金がかかるアパート1棟全面リフォームなどの場合です。有担保型リフォームローンは融資金額の上限が数億円単位です。担保の審査があるため、審査に時間がかかりますが、無担保型リフォームローンよりも金利が低く、返済期間も長期間に設定することができます。

時間がかかっても、全面リフォームをして収益改善を目指すのであれば、有担保型リフォームローンを検討してみてはいかがでしょうか。ただし、金額も大きくなる分、月々のキャッシュフローを含め、シミュレーションを行うことが大切になります。

まとめ

有担保型リフォームローンと無担保型リフォームローンの違いについてご紹介しました。有担保型リフォームローンは審査に時間がかかりますが、金利が低めで返済期間も長期に設定が可能、無担保型リフォームローン金利が高く、返済期間は短めですが、担保はいらず融資もスピーディーという特徴があります。それぞれの特徴をしっかりと理解し、ご自身のアパートのリフォームの際に活用ください。

この記事の監修者

たじり ひろこ

たじり ひろこ

【資格】2級FP技能士/証券外務員第一種

証券会社営業、生命保険会社営業サポート、銀行コールセンター等複数の金融機関勤務経験あり。2016年末からライターとして活動し、主に金融系サイトで執筆。

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