需要のニーズやトレンドを把握!賢く賃貸経営するために知っておきたい1年の動き

監修キムラ ミキ

  • 公開日:
  • 2020年03月17日
  • 更新日:
  • 2020年03月17日
需要のニーズやトレンドを把握!賢く賃貸経営するために知っておきたい1年の動き
賃貸ニーズが高い時期、低い時期を把握して、その動きに合わせた準備をするのは、賃貸経営を行う上で大家さんとして大切なことです。現在、賃貸経営を既に行っている大家さんに向けて、賃貸需要がどんな時期に増えるのか、それに合わせてどのような動きや準備をするのが望ましいのかについてご説明していきます。

目次

賃貸ニーズの1年の動きはご存じですか?

賃貸ニーズは、1年を通じて同じではなく、時期によって高低があります。具体的には、例年1月から3月にかけて高い時期を迎えます。3月のピーク後は4月から落ち込み、12月に至るまでほぼ横ばいで推移します。中でも8月12月は特にニーズが落ち込みます。賃貸ニーズの変化はなぜ起こるのか、その背景についてご説明いたします。

需要の高い時期とその理由

1月から3月にかけて賃貸ニーズが増加する背景には、新年度のスタート時期である4月を前にして、就職や進学などにより新生活を始める方が準備を行う季節であるということが挙げられるでしょう。

需要の低い時期とその理由

一方でニーズが落ち込む背景としては、長期休暇があることが挙げられます。8月は夏休みやお盆、12月も年末年始や冬休みなど、長期休暇で出かける方も多いため、その時期に部屋探しや引っ越しを行う方が少ないと考えられます。

不動産業界の1年の流れを知ろう

賃貸ニーズの1年の動きを踏まえたうえで、不動産業界の動きにも目を向けてみましょう。不動産会社にもよりますが、1月から3月にかけて、賃貸ニーズとともに売買ニーズもピークを迎えます。それによって賃貸・売買ともに内見同行や契約対応、賃貸においては既存入居者の退去対応等で大変多忙になります。ピークを過ぎた4月以降は、売買物件の内見をされる方が春、秋に多いと言われており、その対応にシフトする場合もあると考えられます。

また賃貸においては、一般的に移動や転勤が多いと言われる7月、10月に焦点をあわせて法人に営業活動を行い、賃貸ニーズが低下する時期のてこ入れをする会社もあるでしょう。そして、秋から年末にかけて、翌年1月から3月にかけての既存入居者の退去予定・新規入居者の入居可能時期などを把握し、広告宣伝を行う準備にとりかかります。そのように、賃貸ニーズの高まりに備えていくという形になっていくのが一般的な不動産業界の流れと言えるでしょう。

1年間の大家さんの動きとは

賃貸ニーズ、および不動産会社の動きに合わせて、大家さんとしてどのような動きをとっていくことが求められるのかを考えてみましょう。まずは、1月から3月の賃貸ニーズが高い時期に入居者を確実に獲得するため、秋ぐらいには退去予定者の把握を行うように努めていきましょう。学生が入居者に多い場合に効果的なのは、入居者に向けて退去予定アンケートをとるという方法があります。その際、退去予定アンケートに回答してくれた入居者へ、プレゼントなどの特典を用意しておくとアンケート回収率を高められるでしょう。
そして、退去予定者、退去予定日の把握ができたら、不動産会社や管理会社と情報共有を行い、早めに入居者募集の広告を出せるように打ち合わせをしておくとよいでしょう。その際、専任媒介契約(他の不動産会社に重ねて仲介の依頼を出さない契約類型)で依頼をして、広告料アップをする旨も伝えておくと効果的です。また、退去予定日に合わせてホームクリーニング、設備交換等の手配も早めに行っておきましょう。

なぜ賃貸需要の動きを知ることが大家さんにとって大切なのか

大家さんにとって賃貸ニーズの動きを知ることが大切なのは、先を読みながら早め早めに行動し、準備を進めることができるからです。

繁忙期にやるべきこと

大家さんが繁忙期にやるべきことは、不動産会社や管理会社との情報共有です。不動産会社や管理会社が、入居検討者からの問い合わせ、および内見の対応をした場合には、その様子を迅速に報告してもらうように伝えておきましょう。そして、問い合わせの件数を把握し、件数が芳しくない場合にはポータルサイトの条件設定の確認をし、条件変更の検討をする必要もあるでしょう。ポータルサイトの他にも、どのような広告媒体にどのような情報が掲載されているかを確認するために、不動産会社と連絡を取り合う必要があります。

また、不動産会社等から内見の連絡をもらったときには、内見の日に入居希望者の要望や質問など(家賃の値下げ、設備交換等)にすぐ回答できる体制を整えておきましょう。繁忙期に迅速に対応することで、他の物件を見て決断を遅らせることを回避することにもつながります。また、繁忙期は不動産会社も、少しでも成約数を積み上げたいと考えるでしょうから、迅速な対応をする大家さんの物件に協力的に入居検討者を紹介してくれる可能性が高まります。たとえば、家賃を少し下げてほしい、駐車場を無料にしてほしい、設備を直して欲しいなど、大家さんで対応できる内容であれば、即答できるように物件の状態も把握しておき、契約に結び付けることが大切です。

繁忙期中にも波がある

繁忙期の中でも、動きの波は生じます。問い合わせや内見の件数が落ち込んだときには、不動産会社等に連絡をとり、他の物件も含めた問い合わせ状況を把握するとよいでしょう。

閑散期にやるべきこと

賃貸ニーズがピーク時に満室とならず、空室が生じた場合には、条件の見直しにも応じることができる旨や、必要に応じて広告料を支払うこともできる旨を不動産会社や管理会社に伝えておきましょう。閑散期にも、転勤やそのほかの理由で引っ越しを余儀なくされる状況となる方も存在します。そのような入居検討者の紹介を受けられるように、不動産会社や管理会社との関係づくりをしておくことも必要です。

家賃交渉を受けたときの対応方法

閑散期には、入居検討者から家賃交渉をされることもあるでしょう。そのようなときに備え、キャッシュフローを意識した賃貸経営をしておきましょう。仮に、いくらまでなら家賃を値下げしてもキャッシュフローに支障が生じないのかを把握しておく必要があるからです。ただし、実際に家賃交渉を受けたときには、家賃値下げは利回りに影響を及ぼすため、すぐに家賃値下げを了承するのではなく敷金・礼金の値下げなど初期費用の軽減を提案するのも一案です。

ターゲット別の賃貸ニーズについて

大家さんとして、入居者ターゲット別の賃貸ニーズの変化についても、おさえておきましょう。

単身向け物件のトレンドやニーズ

社会人の単身向け物件は、新年度を迎える時期や一般的に転勤の多い7月や10月にニーズが高まります。その場合、一時的な住まいになる可能性もあるため、初期費用を抑えつつも、利便性の高い物件にニーズが集まるでしょう。利便性は、立地(駅からの距離、利便施設の有無)のみに限りません。ニーズの高いサービスや設備についてを調べ、導入を検討するのも物件の利便性を高める方法として有効です。

学生向け物件のトレンドやニーズ

学生向けの物件は、新入生が新生活を始める新年度を迎える時期にニーズが高まります。一般的には、保護者が初期費用や家賃の負担を行うことになるケースが多いため、在学中は継続して入居してもらえる可能性が高いでしょう。また、親元を離れて生活をさせることに不安を感じている保護者も多いため、家賃の金額設定よりも、「不安」解消のための取り組みに力をいれるという視点が大切です。防犯性を高める検討(防犯カメラ、オートロックなど)を行ってみるのも入居検討者のニーズを満たすために有効となります。

ファミリー向け物件のトレンドやニーズ

ファミリー向けの物件は、子どもの在学中に学区を変えたくないと考える方が多いので、入学時期などに合わせて引っ越しをするというケースも多いでしょう。そのため、ファミリー物件についても一般的に賃貸ニーズが高まる時期と同様と考えておけばよいでしょう。また、家族で出かけるための自動車を所有しているケースも多いでしょう。そのため防音設備や駐車場など、ファミリー世帯のニーズを満たす設備などの整備が十分か、再点検してみるとよいでしょう。

需要の時期を知り、次の動きを考えよう

大家さんが賃貸需要の時期や、ニーズやトレンドを把握しておくことは、入居者ニーズを満たし、早め早めに対策を講じることにつながります。そして、将来的に、大規模修繕及び建て替えを行うときのために備え、入居者ニーズを満たすべく、必要な設備などを導入することを含めた資金計画を立てることもできます。

トレンドやニーズを知ることは空室対策にも繋がる

トレンドやニーズを知ることは、先ほども述べた通り、入居者ニーズを満たすことにつながります。賃貸経営は、文字通り賃貸物件を活用した「経営」です。どの商売の経営に対してもいえるのですが、顧客のニーズを無視していては売れる商品にはなりません。どんなに有名な商品でも顧客ニーズを日々確認しながら、改良をしていることはご存じのとおりです。賃貸経営においても、入居者ニーズを満たすために、トレンドやニーズを知り、空室を生じさせない物件に育てていくという視点は、とても大切です。

まとめ

賃貸経営は、賃貸物件を取得して、不動産会社や管理会社に任せておけば収入を得られるという簡単なものではありません。大家さんには、賃貸経営の経営者として、入居者ニーズを満たすために、日々アンテナを張り、所有する賃貸物件の価値を維持するための努力が求められています。トレンドを把握して入居者ニーズを満たし、賢い大家さんになるためにはどんな工夫が必要か、考えてみるきっかけにしてみませんか。
キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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