居住者視点で考えよう!機能性もデザイン性も兼ねそろえた「目隠しスクリーン」をご紹介

2023.01.11更新

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

居住者視点で考えよう!機能性もデザイン性も兼ねそろえた「目隠しスクリーン」をご紹介

この記事では、目隠しスクリーンの設置を考え中の大家さんに向けて、設置場所や設置費用、おすすめの商品などをお伝えします。

目次

物件選びでポイントの高い設備とは

賃貸物件を選ぶとき、防犯対策をポイントにしている傾向は年々高まっています。特に、女性の一人暮らしや、両親が共働きのため子供だけで留守番することの多い家庭などでは、強盗目的などの侵入者による、事件や事故に巻き込まれないように防犯対策には敏感です。

このような背景から、物件を選ぶときに重視するポイントとして、「2階以上」を希望する入居者は多く、窓からの侵入に対して非常に防犯意識が高いことがわかります。加えて、外部に面する共有部分も、できるだけ外から見えにくい対策が求められている傾向が強いです。

居住者の安心・安全を守り、快適な暮らしができる賃貸

最近では、窓からの侵入者による事件は、留守にしているときばかりではなく、在宅しているときでも起こりうる可能性があります。1階はもちろん、2階以上であっても、換気のためなどに季節を問わず窓の鍵を開けたままでいることが、防犯面で気になる入居者は増えているでしょう。また、カーテンでプライバシー対策をしていても、風でなびくと部屋の中が見えてしまうこともあります。

とはいえ、「換気のために風を通したい」「暑さを緩和するため夜は窓を開けて眠りたい」という入居者は多いはずです。防犯性と快適性を両立していくことが大家さんの課題になるでしょう。

窓だけではなく、通路、階段、ベランダなども外部から見えやすい場所です。外出したことが分かりやすくなる恐れもあり、留守中に侵入を狙われることにもつながりかねません。このような外部に面した共有部の対策も、物件の防犯を強化する場合は課題となってきます。

目隠しスクリーンを設置する目的

快適性を保ちながら防犯対策も可能な窓まわりの設備として、目隠しスクリーンが挙げられます。窓を開けたままでも外からは見えにくく、カーテンが風でなびいても直接的に部屋の中が見えることを避けられます。また、カーテンだけだと、容易に侵入できますが、目隠しスクリーンは、容易に外すことができない障害物になるため侵入を防ぐこともできます。既存の窓に設置できますので、手軽に取り付けられる防犯対策として検討できるでしょう。

なお、ベランダや階段などは、オープンになっていると、建物内部まで見えやすくなってしまい、特に階段は、1階から上の階までつながっていて、階段まわりに囲いがなければ外部からも侵入しやすくなってしまいます。外部用のスクリーンやパネルを取り付けることで、視線を遮り、容易に侵入できない環境を作ります。

目隠しスクリーンってどんな設備?

目隠しスクリーンは機能により、金属やプラスチック素材などさまざまな種類があります。窓に取り付けるタイプは、ルーバー(細長い板を平行に組んだもの)になっており隙間がありますので、風が通ります。そのため、スクリーンを取り付けて窓を開けていれば、視線を遮りながらも風を通すことができるため、換気が可能です。ベランダや階段部に取り付けるタイプも、ルーバー型やパネル型などさまざまな種類があります。

設置する場所

目隠しスクリーンは、隣家との距離が近い位置にある窓や、建物の裏手になって外からは見えにくい死角となる窓、カーテンがついていないキッチンや浴室、洗面所、トイレの窓、ベランダなどに多く利用されています。共有部分だと、外部階段や、玄関前の通路、駐車場などで利用されているケースが多いでしょう。

機能と効果

目隠しスクリーンの大きなメリットのひとつは、視線を遮断しながらも、風を通すことができる点です。また、光を通せる目隠しスクリーンもあり、防犯しながら通気と採光もできる点はとても機能的です。一般的にはカーテンを取り付けないことが多い浴室や洗面所、トイレの窓は、曇りガラスではあるものの、外から人の動きを認識できる程度に透けています。特に女性の入居者であれば入浴や脱衣のときには気になりやすいため目隠しスクリーンで視線を遮断することは効果的です。

また、目隠しスクリーンは、玄関の出入りや、日常生活行動を見えにくくする効果もありますので、ベランダや外部階段、外部に面する通路などにも有効です。

相場と設置費用

窓に後付けの目隠しスクリーンを取り付けるときの費用は、窓の大きさやスクリーンの素材によっても費用は変わることがありますが、おおよそ1カ所で6~8万円程度になります。なお、外部階段などに取り付けるスクリーンは、階数が高いほど施工面積が大きくなるため、100万円以上かかる場合もあります。

種類豊富な目隠しスクリーン

目隠しスクリーンは、単に視線を遮ってくれるだけではなく、光を通すもの、音を軽減してくれるものなどプラスアルファの機能を持つ種類もあります。スクリーンを取り付けることで部屋が暗くなるのを防ぎたいなら、光を通す透過性のある素材を。そして、線路の近くや車の往来が激しい道路の近くなら、外からの音が軽減される防音性のある素材を選ぶなど、目隠しスクリーンにはさまざまな活用法があります。

目隠しスクリーンで外観を彩ることもできる

機能性のバリエーションが豊富であることに加えて、デザイン面でも選択肢がたくさんあります。建物の外観デザインを損なうことのないよう、目隠しスクリーンの素材やデザインはしっかりと吟味しましょう。

防犯に力を入れることを意識しすぎて、入居者からの見た目にマイナス効果を与えてしまっては、空室対策として逆効果になってしまいます。目隠しスクリーンを選ぶ際において、デザイン面の選択肢が多いことはメリットとなります。

おすすめ目隠しスクリーンの商品をご紹介

目隠しスクリーンが、防犯対策でも機能面でも優れている点をお伝えしてきました。ここからは、バリエーション豊かな目隠しスクリーンの商品をご紹介していきます。

窓:YKK AP(プライバシースクリーン)

YKK APの「プライバシースクリーン」は、ポリカーボネート素材で作られたもので、視線を遮りながらも、光を通しやすいガラスカラーが特長です。一般的にルーバーは一枚一枚斜めの角度がついていることが多いですが、YKKのスクリーンは、表面がフラットになっていても通気ができる構造になっています。

フラットな分、スクリーン本体の厚みを抑えることができるため、窓の外側に取り付けてもスッキリとした印象でデザインにも優れています。YKKは国内大手のサッシメーカーでもありますので、スクリーン本体の枠の色は、ホワイトからシルバー、ブラックなど種類も豊富に取りそろえています。物件の外観に似合うカラーを見つけることができるでしょう。
メーカーYKK AP株式会社
商品名プライバシースクリーン

窓:セイキ(さわやか目かくしPCII型)

セイキの「さわやか目かくしPCII型」は、耐久性にも優れたポリカーボネート製のスクリーンで、視線を遮ることはもちろん、風を通しながら光を通す素材で作られています。透過性のあるスクリーンとしてはスタンダードな形であり、ルーバーカラーも、ガラスカラーの他、ブラウン系、ベージュ系などから選べます。窓に後付けで取り付けられますので、設置場所を選ばす手軽に防犯対策ができます。
メーカーセイキグループ
商品名さわやか目かくしPCII型

通路・ベランダ:久米工業(ルーバー)

久米工業の「ルーバー」には、部屋のベランダや、外部に面した共有部の通路などに取り付けることができる製品があります。ベランダなど外部に面した場所は、外から見えやすいため、生活をのぞかれることや、部屋を特定されやすくなります。通路やベランダは外部に面している場所なので、設置の仕方によっては外観のデザインの一部としておしゃれに演出することができます。
メーカー久米工業株式会社
商品名ルーバー(Will Louver)

通路・ベランダ:久米工業(外装ルーバー)

久米工業の「外装ルーバー」も、外部に面するベランダ、通路などに活用できるウォールスクリーンです。建物が密集して建ち、隣の建物との距離感が近い場所でも、外からベランダ内を見えにくくします。また台風などの強風時の風よけ効果にもなります。カラーや素材の種類が多く、外観デザインに合わせたコーディネートも可能です。
メーカー久米工業株式会社
商品名外装ルーバー

階段:三協アルミ(タワースクリーン)

外からの視線を遮られることが、目隠しスクリーンのメリットのひとつですが、入居者の部屋だけではなく、受水槽や駐車場などを隠して美観を整える目的に使われることがあります。三協アルミの「タワースクリーン」は、高さのある建物にも美しく取り付けることができ、外観デザインとの統一感を図ることができます。また、強風にも強く、高階層で悩まされる風騒音の軽減にもつながります。
メーカー三協立山株式会社
商品名タワースクリーン

空室対策につなげるポイント

建物が密集している場所は、隣の建物と接近しているため、正面以外の場所は死角になりやすい場合があります。また、隣の建物との距離も近いため、窓を通して部屋の中の様子が見えやすくなります。同じような広さや立地条件の部屋がいくつかあるとき、防犯対策として細部まで気配りをしていることが明らかであれば、他の物件と大きく差別化をすることができるでしょう。募集段階から、防犯対策のポイントをアピールすることで、注目度アップが期待できるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、防犯対策やプライバシー確保にも効果的な設備、目隠しスクリーンをご紹介しました。気軽に取り付けられる窓用のスクリーンから、実用的かつ外壁デザインの一部としても活用できる外部用スクリーンなど、カラーも用途もバリエーションが豊富です。物件の規模や現状の問題点、入居者層などを考慮しながら最適な目隠しスクリーンを選び、空室対策を検討していきましょう。

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

注文住宅会社に15年以上従事し、不動産売買業務の他、新築・リフォームの内外装、家具・建具造作の現場監修を行う。オリジナルデザインの住宅を数多く経験。不動産・住宅専門の執筆活動も行っている。

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